てらまちワークショップを開催しました。

2017年5月から2018年2月にわたって、寺町・開明町かいわいを拠点にしたプロジェクトを生み出すための連続ワークショップ「てらまちワークショップ」を開催しました。

プレイベントとして2017年3月に開催した尼崎まちづくりレクチャー「CHANGE THE LOCAL」(全4回)を踏まえ、初回ワークショップから最終回プレゼンテーションまで、約10か月に及ぶ講座を通し、最終的に6つのプロジェクトが誕生しました。

てらまちワークショップ
のプログラム

第1回では、プロジェクトを自分ごととして進めていくため、参加者それぞれの興味関心や課題意識などから考えを膨らませて、アイデア出しを行いました。

第2回以降、最終プレゼンテーションに向けて企画を進めていきました。予定していた講座に加え、フォローアップ講座も開催しました。アイデアから企画化する中で、統廃合されたプロジェクトもありましたが、最終的には6つのプロジェクトチームが立ち上がりました。

最終回では、一般来場の方との意見交換も行い、プロジェクトチームで今後取り組みを実践するための告知も行いました。

また、講座の中では地域で開催されるイベントの情報共有も行われ、組成したチームの今後の活動舞台となり得るつながりも生まれました。

第1回

プロジェクトワークショップ01
(2017年5月31日)

5月31日に法園寺で第1回目の講座を行いました。

参加者同士での自己紹介から始まり、一緒にプロジェクトを進めて行く仲間と交流を行いました。

続いて、3月にプレイベントとして開催した全4回の尼崎まちづくりレクチャー「CHANGE THE LOCAL」で話されていた、まちづくりに関するポイントを全員で共有しました。

その後、これから自分ごととして「マイプロジェクト」をつくっていくため、ブレインストーミングのワークショップを行いました。自分の好きなことやできること、ふとした疑問やつくりたい未来とその理由について、各自が付せんに考えを書き出しました。書き出したそれぞれの想いは、グループに分かれて共有しました。

また、みんなで共有した内容をもとに、それぞれが持つ資源や課題を組み合わせてどのような取り組み(プロジェクト)ができそうか、イメージを膨らませました。

第2回

レクチャー&ワークショップ02
(2017年6月17日)

6月17日に大覚寺で第2回目の講座を行いました。

今回はまず、プロジェクトを生み出していく拠点となる寺町・開明町かいわいについて学ぶため、大覚寺の岡本住職に講師を依頼し、寺町の歴史についてレクチャーいただきました。

いにしえの尼崎が、奈良、大坂、京都といった都にとって、極めて枢要な立地であり、貴族、武士、僧侶、中国や朝鮮からの賓客をはじめ、さまざまな人や情報が行き交う場所であったこと、さまざまな和歌や能に取り上げられるほど風光明媚な光景がいくつも存在していたことなどを、お話していただきました。

参加者からは、「尼崎の良さがわかった」「尼崎の歴史をもっと勉強したい」などの声が挙がりました。

続いて、第1回の内容を踏まえ、参加者同士でアイデアを出し合い、「これは面白そう!」というものを選んで、各々の興味関心にもとづき暫定のプロジェクトチームを結成しました。現時点で立ち上がったプロジェクトは次の9つ。

・寺町チャレンジショップ&チャレンジ移住プロジェクト
・とにかく24時間寺町に滞在してみるプロジェクト
・のろし再興プロジェクト
・銭湯の壁絵を「いにしえの琴浦の風景」にプロジェクト
・お寺でハッカソンプロジェクト
・寺町で宿坊をつくろうプロジェクト
・寺町で刀イベントプロジェクト
・寺町と商店街のマリアージュプロジェクト

次回以降、さらに具体的な企画を進めていきます。

追加開催

第2回ワークショップフォローアップ
(2017年6月28日)

6月28日にサンシビック尼崎にて、第2回目の講座に参加できなかった方や、新たにプロジェクトチームを組成された方を対象とした追加ワークショップを開催しました。

前回の内容を復習するため、結成された9つのチームのアイデアの紹介と、その他、結成までには至らなかったアイデアについて共有しました。その後、新たにプロジェクトをつくる、またはすでに立ち上がっている9つのチームのうちいずれかに参加する、のどちらかを選んでいただく形で、興味関心ごとにグループに分かれて話し合いを行いました。

最後に、グループで話し合った内容を参加者全体で共有しました。

参加者からは、「メンバーが1人増えたのでよかった。具体的な企画はまだ上がっていないが、これから仏教に関するイベントの立ち上げを考えていきたい。」「今回チームは結成できなかったが、気軽に訪れてもらうことができるよう、寺町のフォトジェニックなスポットを作っていきたいと思う。地元の若者がSNSで広めるなど、プロジェクトを浸透させるための入り口となる何かが必要に感じた。」といった感想が聞かれました。

また、参加者として来ていただいていた法園寺の住職からも、「それぞれのお寺の、宗派独特の修行体験を行いたい。ぜひてらまちワークショップ参加者のみなさんにも協力いただければと思っている。そのためにも、尼崎や寺町のことをぜひ知ってほしい。」とコメントをいただきました。

追加開催

プロジェクト検討会
(2017年7月11日)

7月11日、サンシビック尼崎で追加のプロジェクト検討会を開催しました。

第2回目の講座で9つのプロジェクトチームが立ち上がり、各チームによるプロジェクトの計画づくりが始まりました。しかしチームは結成したものの、メンバーで集まる機会をつくることが難しいという状況がありました。それを解決すべく、チームの話し合いの場を設けました。

当初は各チームで計画づくりを行うことを想定していましたが、参加人数を踏まえ、各チームの状況や課題を全員で共有する場となりました。

のろし再興プロジェクト

尼崎城の築城と合わせて実現したい。実際に山でのろしを上げるとなると、山火事の恐れや山の標高などの懸念点はあるが、安全で美しいのろしを上げるための方法を調べたり、のろしをあげる山の候補に、一度メンバーで登山してみたりしたい。

フォトジェニックスポットプロジェクト

プロジェクトに参加する手前の段階として、フォトジェニックな場所を100か所ほど見つけたり、作ったりすることで訪れた人が気軽にSNSを用いて発信するような状況を作りたい。ザ・アートのようなものではなく、自然と発信・拡散されるようなスポットにしたい。

寺町と商店街のマリアージュプロジェクト

商店街の中の壁(中央と三和など)と、商店街と寺町との壁を取り払いたい。商店街の活性化に関して危機感を持っていない人が多いということに危機感を抱いており、空き家や空き店舗の活用を寺町の方や商店街の方と一緒に行っていきたい。古い考えの中に、新しい考えが入ってくることで商店街の人とお客さんとが一緒に楽しむことができるようになると良い。寺町を訪れる人が中央商店街だけではなく、三和商店街も通るように、回遊の仕方を変える仕掛けを考えたい。

むかし遊びプロジェクト

行政との調整が必要ではあるが、寺町の道路でイベントを行いたい。「だるまさんがころんだ」の公式ルールを調べてみようと思っている。また、法園寺との企画連携・調整を考えてみたい。

第3回

チームミーティング01
(2017年9月5日)

9月5日、サンシビック尼崎で第3回目の講座を行いました。

チームミーティングを始める前に、まずは各プロジェクトの進捗状況や今後の企画の方向性について確認しました。

今回参加したのは、「のろし復興プロジェクト」「銭湯の壁絵を『いにしえの琴浦の風景』にプロジェクト」「お寺でハッカソンプロジェクト」「昔遊びプロジェクト」の4つ。

それぞれのプロジェクトチームからの報告や情報共有ののち、その内容を踏まえ、各チームの今後の企画の方向性についてディスカッションを行いました。

第4回

チームミーティング02
(2017年9月11日)

9月11日、尼崎市総合文化センターで第4回目の講座を開催しました。

第3回目と同様、まずは各プロジェクトチームの進捗共有や企画の方向性について全体で共有を行いました。

今回参加したチームは、「寺町チャレンジショップ&チャレンジ移住プロジェクト(空き家活用)」「とにかく24時間寺町に滞在してみるプロジェクト」の2つ。共有の後は、各プロジェクトチームの今後の方向性についてディスカッションを行いました。

第5回

再起動ミーテイング
(2017年9月28日)

9月28日、尼崎市総合文化センターで第5回目の講座を行いました。

今回はまず、情報共有として兵庫空き家相談センターの方から、10月29日(土)に開催予定の「あきんどフェスティバル」についてお話がありました。

その後、各プロジェクトチームの進捗状況についての報告を行いました。

報告を踏まえた意見交換では、「空き家を活用したチャレンジショップは可能性があるものの、それによって周囲が賑やかになることを地元の方が嫌がることも考えられる。飲食店ではなくアトリエや事務所として活用する方が望ましいのではないか。」「尼崎城が築城されるこのタイミングは、地域のイメージを変えるチャンス。」「地域の利便性やポテンシャルを生かしながら、地域に合うもの、かつ人を引き付けるような変化が必要。」「地域の現状に即したプロジェクトづくりだけではなく、将来的なニーズを新しく生み出すことも見据えていくことも大事。」など、活発に発言が行われました。

第6回

プロジェクトワークショップ03
(2017年10月20日)

10月20日に、地域共創Labで第6回目の講座を開催しました。

前回に引き続き、まずは情報共有として、地域のイベント情報の共有を行いました。

10月29日の「あきんどフェスティバル」、10月31日に三和本通り商店街で開催される「ハロウィンイベント」、11月5日に行われる「チャリンピックイベント(特設コースを、手押し自転車で設定時間ぴったりに戻ってくることを競う)」についてのお知らせがありました。

その後、各プロジェクトからの進捗報告・相談として、「フォトジェニックスポットプロジェクト(SNS映えをする写真を撮影し、尼崎の情報を拡散する)」「チャレンジショップ&チャレンジ移住プロジェクト(寺町・開明町かいわいの空き家利活用を検討する)」が発表を行いました。

また、新たに、刀型のトングによる地域清掃活動やトング制作ワークショップと合わせて尼崎の歴史に関するミニレクチャーを行う「トング刀プロジェクト」が結成。今後の継続的な活動を検討することになりました。

さらに、尼崎の主婦を中心としたマルシェイベントを主催する「あままままるしぇ」プロジェクトについても順調に企画が進んでいる様子でした。

第7回

プロジェクトワークショップ04
(2017年11月22日)

11月22日、地域共創Labで第7回目の講座を開催しました。

まず冒頭に、情報共有として前回紹介のあった「三和本通り商店街でのハロウィンイベント」「チャリンピックイベント」の実施報告がありました。

また、参考事例として、てらまちプロジェクトの主催メンバーでもある阪神電気鉄道株式会社が、視察に訪れた「博多ライトアップウォーク」について情報共有を行いました。

その後、「護美奉行プロジェクト(旧 刀トングプロジェクト)」からは12月10日に開明中公園、12月17日に地域共創Labで取り組みを実施するという報告があり、イベントに向けた課題や相談事項の共有がありました。

新たに誕生したプロジェクトチームもあり、寺町・開明町かいわいを灯で彩ることで地域に人が訪れる機会をつくる「てらマチあかりプロジェクト」が継続的に検討を進めていくことになりました。

加えて、思春期の子どもたちの居場所づくりや相談窓口の設置を行う「エングラフ」の活動や、3月25日に開明中公園で開催が決まった「あままままるしぇ」の進捗報告もされました。

追加開催

プロジェクトワークショップ05
(2018年1月22日)

1月22日、地域共創Labで追加のフォローアップ講座を開催しました。最終回プレゼンテーションに向けた準備ワークショップを行いました。

今回は、株式会社地域環境計画研究所の若狭さんにメンターとしてお越しいただき、現在進行している次の6つのプロジェクトについてアドバイスをいただきました。

・てらマチあかりプロジェクト
・あままままるしぇプロジェクト
・てらまちマッピングプロジェクト
・空き家活用プロジェクト
・護美奉行プロジェクト
・フォトジェニックプロジェクト

各メンバーとも、課題や相談事項を若狭さんにぶつけ、次回に向けたブラッシュアップのための場となりました。

第8回

てらまちプロジェクトプレゼンテーション
(2018年2月24日)

2月24日、尼崎商工会議所で講座最終回となる「てらまちプロジェクトプレゼンテーション」を開催しました。

これまで企画を進めてきた各プロジェクトの発表に先立って、一般来場の方に向けて、まずはてらまちプロジェクトの取り組みを紹介しました。

その後、尼崎市立地域研究史料館の松岡さん、日新天ぷら女将の鶴留さん、尼崎中央5丁目商店街振興組合事務局の高瀬さんをゲストに迎え、寺町かいわいに関する「よもやま話」をテーマにゲストトークを行いました。

休憩をはさんで、いよいよメインイベントのプレゼンテーションが始まりました。登壇したのはこれまでに企画を進めてきた6つのプロジェクト。「護美奉行プロジェクト」「あままままるしぇプロジェクト」「てらまちマッピングプロジェクト」「フォトジェニックプロジェクト」「てらマチあかりプロジェクト」「空き家活用プロジェクト」です。

各プロジェクトのメンバーから、企画が誕生した経緯と今後の活動について発表を行いました。衣装や小道具を用いるなど、演出にも工夫が見られました。

護美奉行プロジェクト

刀型のトングを使った寺町・開明町かいわいの清掃と、プチ尼崎歴史セミナーの開催を検討するプロジェクト。

あままままるしぇプロジェクト

尼崎のママたちが出店するマルシェの開催を検討するプロジェクト。

てらまちマッピングプロジェクト

お寺を使ってハッカソン(アイデアワークショップ)を行うことを検討するプロジェクト。

フォトジェニックプロジェクト

寺町・開明町かいわいで写真映えする場所をつくることを検討するプロジェクト。

てらマチあかりプロジェクト

静かで趣のある寺町・開明町をあかりで彩ることを検討するプロジェクト。

空き家活用プロジェクト

寺町・開明町かいわいの空き家、空き店舗の活用を検討するプロジェクト。

プレゼンテーションの後には、全体での交流会を行いました。発表の内容やプロジェクトについての感想、意見交換がなされ、一般来場いただいた地域の方からも積極的な参加をいただきました。

てらまちワークショップ
を振り返って

たくさんのミーティングを重ね、それぞれの企画が生まれました。今後、実際にトライアルイベントを開催していくチームも。各企画の、今後のさらなる取り組みにご期待ください!