「てらまち学 尼崎ご当地講談会」を開催しました。

寺町・開明町エリアに「住み続けたくなる」「訪れたくなる」「移り住みたくなる」「働きたくなる」まちになるきっかけを作り出すてらまちプロジェクトの一環として2020年11月7日(土)に尼崎市寺町にある大覚寺で「てらまち学 尼崎ご当地講談会」を開催しました。

今回上演した講談は、2018年に行った「てらまち学Vol.1 尼崎城主 青山幸利から学ぶ尼崎らしさ」のワークショップの中で参加者の方たちとつくったもので、同年サンシビックまつりでの上演以来2年ぶりの再演となりました。今回は感染症対策のこともあり、現地観覧だけでなくオンライン同時配信も行い、より多くの方にご覧いただけるようにいたしました。

●「てらまち学Vol.1 尼崎城主 青山幸利から学ぶ尼崎らしさ」の様子はこちら
https://amagasaki-teramachi.jp/archives/report/teramachigaku1-2018

上演場所、大覚寺について

大覚寺は現存する尼崎最古のお寺で、元和3年(1617年)に尼崎城が築城されたことをうけて現在の寺町に移転しました。そんな尼崎城とゆかりがある大覚寺にはとても立派な能舞台があります。実は講談を制作した「てらまち学Vol.1」はこの能舞台を会場として開催。全二回のワークショップの中でそんな思い出の詰まった大覚寺で講談が聞きたい、というお声をたくさんいただきましたので、ご期待に応えるべく、講談会を開催することになりました。

講談とは?

講談と聞いてあまり馴染みのない方も多いかもしれません。講談とは日本の伝統芸能の一種で、主に歴史にまつわる話を釈台(しゃくだい)と呼ばれる机の前で、張扇(はりせん)を叩いて音でリズムを取りつつ話すというものです。講談と落語の違いは、講談は歴史に関するものを「読む」芸に対して、落語は「会話をする」芸という分けられ方がされるそうです。

尼崎ご当地講談

小雨の降る中、出囃子とともに登場したのは、前回に引き続きこの講談を演じる5代目旭堂小南陵師匠。小南陵師匠の熱のこもった講談に、来場者はすぐに魅了され、あっという間に時間は過ぎていきました。講談が終盤に差し掛かるころには小南陵師匠の熱演のおかげか雨も上がり、声と張扇の音を耳で、身振り手振りと表情を目で楽しみながら、「尼崎城主であった青山幸利とはどういう人物であったか」「尼崎とはどういう街であるか」を学ぶことができました。

終演後は講談制作に関わっていただいた尼崎市立歴史博物館の河野さんとグッドニュース情報発信塾の大谷さんに登壇いただき、講談制作の裏話や講談に使われた青山幸利エピソードの歴史解説をしていただきました。制作当時の思い出話も交えながらでしたので、当時の参加者は懐かしさを感じ、また初めて聞いた方も講談・歴史解説を聞くことによって、尼崎ご当地講談の内容を理解し、より楽しむことができたのではないでしょうか。

来場者の方からも「初めて講談を見て、迫力にびっくりしました」「講談、とても楽しかったです!また歴史解説もとても興味深く、新たな発見もあり有意義な時間を過ごせました」などのお声をいただきました。

<番外編~大覚寺の芦刈からくり人形~>


大覚寺には能舞台のほかにも、有名な芦刈からくり人形があります。通常年に1回2月の節分祭でしか一般公開していないものなのですが、今回は特別に動いているところを見せていただきました。からくり人形の衣装の早着替えや御所車から女性が出てくるなど不思議な仕掛けばかりで、多くの来場者がカメラやスマホを手に取り、からくり人形が動く様子を写真や動画に収めていました。

最後に

当日は不安定な空模様にもかかわらず、開演時には満員御礼。さらには会場から漏れ出る音に、大覚寺の前を通る人も足を止め、中には会場内に足を踏み入れ立ち見する方も多くいらっしゃいました。オンライン上での同時配信も想像以上の方に視聴いただくことができました。大盛況に終わった今回の尼崎ご当地講談会、当日の様子を振り返りたい方や参加できなかった方のために、イベントのダイジェスト動画と講談の台本を公開しています。よろしければこちらもご覧ください。

イベントダイジェスト動画


●講談台本「尼崎ご当地講談~尼崎城主 青山 幸利から学ぶ尼崎らしさ」
https://amagasaki-teramachi.jp/wp-content/uploads/2020/12/daihon-1.pdf