てらまちワークショップ・チームプロジェクト「尼崎開明社会学校~みんなの”シン・地域デビュー”講座・オンライン~」を開催しました

てらまちワークショップで立ち上がったチーム「尼崎開明社会学校(Amagasaki Bright Social School)」が主催の「みんなの”シン・地域デビュー”講座・オンライン」を2022年1月30日(日)に開催しました。元々は尼崎にある開明庁舎で講座を行う予定でしたが、コロナ感染状況によりオンラインの開催となりました。

初めに開会の挨拶がありその後、4つグループに分かれ自己紹介をしました。年齢も性別もお仕事も様々な方々に集まっていただきました。参加された動機も「新興住宅地に住んでおり、あまり地域の関わりが無く寂しいので地域デビューしたい!」という方や「定年が近くなってきたため、そろそろ地域デビューを考えている」など様々でした。

地域デビューとは?
昔と今の地域デビューの変化について

まずはメンバーから「シン・地域デビュー」について講座を行いました。「地域デビュー」とは2003年ごろに生まれた言葉で、自治会やPTAに入ったり、夏祭りなどの地域行事への参加・お手伝い、公民館で開催されているサークルやボランティア活動に参加することなど、地域活動に初めて参加することを指す言葉です。

昔の地域デビュー、「元・地域デビュー」では主に定年退職後の男性をターゲットとしていました。「現・地域デビュー」で問題になっているのが、地域デビューする人たちの高齢化、さらに男性の地域デビューが進んでいないというものです。これまでの地域デビュー、「元/現・地域デビュー」は社会の変化と共に古くなってきました。近年、日本でも「孤独」が問題視されており、国の政策にもなったことで地域とのつながりの重要性が高まってきています。みなさんで新しい地域デビュー、「シン・地域デビュー」を考えてみましょう!

対話セッション

対話セッションでは、自己紹介をしたグループに戻り、講座を聞いた感想や「シン・地域デビュー」はどのようなものになっていくかなどを話し合いました。「田舎であれば地域活動に参加しなければ生活できないので、無理やりにでも参加しなければならなかった」や「すでに形ができあがっている組織に入っていくのはハードルが高い」、「興味のあるものに自由に参加したい!」などの意見が出ました。みなさん参加してみたいと思っていても「一度参加すると継続しなければならないのではないか」、「人間関係が面倒そう」などの理由から参加できない方が多いみたいです。そこで「シン・地域デビュー」の案として出たのが「気軽に参加できるもの」や「趣味のような楽しいこと」といった、参加するまでのハードルが低い、参加される方々同士の関係が緩やかな活動でした。

パネルディスカッション

パネリストとして合同会社ココスキ代表の坂本さんと、株式会社ここにある代表の藤本さんをお迎えしてパネルディスカッションを行いました。

Q.お二人にとって「地域」とは?

藤本さん:
「ずっと尼崎で過ごしている中で、色々なイベント等に参加しているうちにどんどん知り合いが増えていきました。そうしていると街に住んでいる人たちを知ることで街への理解度が高まっていきました。そして尼崎の全体像が掴めるようになってきました。地域というのはよく分かりませんが、住んでいる人たちの様子などを表しているものではないでしょうか。」

坂本さん:
「やはり私もイベントに参加しているうちに知り合いが増えていきましたね。そういう人たちが一緒に何かをする仲間になっていって、活動が広がっていきました。私は尼崎が安心する場所で、家族じゃないですけど仲間がどんどん増えていく感覚を持っている場所が地域ですかね。」

Q.今「地域」に関わっている人たちはどんな人ですか?

坂本さん:
「私のところではみんなで仕事を作るというココスキのコンセプトに共感していただいた方たちに関わっていただいています。さらにココスキは女性のクリエイティブチームなので地域で子育てをしながら活動したい人たちも多いです。まずはイベントなどに遊びに来ていただく、講師として参加していただく、何かしたいと相談していただければ何かしらのきっかけになると思います。」

藤本さん:
「僕のところは結構幅が広くて、地域創生に興味がある学生さんや子どもたち、高齢者の方や行政や企業さんとも活動させていただいています。参加している人たちは「損得の外側にいる関係性を築きたい」と考えている人や「今の置かれている状況に違和感や生きづらさ」を感じている人たちも多いです。また「今のコミュニティでは挑戦できないことを挑戦してみたい!」と思う人たちもいらっしゃいます。イベントに来ていただく他にも僕のSNSであったりメディア、講演会などもやっていますのでチェックしてみてください。」

Q.「地域デビュー」の講座を踏まえてメッセージをお願いします

坂本さん:
「いろいろな場所をたくさん作るのが良いと思います。さらにどういう場所を作っていきたいかを発信することも大事だと思います。正解はないので自分にとってぴったりと心地いい場所を見つけたり、作っていただければと思います。楽しんでいただければ良いと思うのでとにかく楽しんでください。」

藤本さん:
「僕は遊ぶ場所を尼崎の中で作りたかったんです。アートや地域創生、ジャンルを問わず面白そうだと思ったイベントに参加してなんとか毎回爪痕を残そうとしました。それは、ただ話を聞くだけではなくイベントと出会った人たちと話してみたり連絡先を交換したり、食事に行ってみたり。地域活動は人とのつながりの連鎖だと思うので頑張ってみてください。」

グループワーク

グループワークでは今日のプログラムを通して感じられたみなさんご自身の「地域デビュー」のイメージやアイデアを共有していただきました。「好きなことを元にして地域デビューをするというアイデアをもらって、地域デビューの敷居が低くなった」という意見や「主体的に動くことが大切だなと感じた」などの意見が出ました。

このプログラムにも様々な世代や立場の方が参加していただきました。緩やかなつながりを求めている方や、好きなことを共有したい方、地域のために役に立ちたい方など、それぞれが感じる「地域デビュー」のアイデアは異なっています。決まった形などない、それこそが新しい地域デビュー、「シン・地域デビュー」なのかなと感じました。参加していただいたみなさんには「地域デビュー」を通してこれからの生き方を考えるきっかけになったのではないかなと感じています。